クエスト依頼の理由
モンスターハンターの世界観において、ハンターというのは特殊な職業である。ハンターという稼業を確立したココットの英雄以来、モンスターを狩るということを生業に生きる人種が現れた。それがハンターである。命懸けで、他の村人たちではどうしようもない危険なモンスターを狩る。そういう職業がハンターなのである。
なのでクエストの依頼理由に関しても、村人の
『キノコ採りに行きたいけど、小型モンスターがいっぱいいて行けない。助けて!』とか『散歩してたらデッカい危険なモンスターがいた! アレを放っておくと村にも被害が出るかも知れない! なんとかしてくれぇ!』とか、更には一国の王や地方の地主とかから『土地の民を守るため、力を貸してくれ!』とか、生々しい理由が多かった。
時々、ちょっとお茶目な息抜きクエストもあるはあったのだが、それは異例である。納品クエストであっても『プレゼントをあげたいんだけど、忙しいし、辺りに危険なモンスターがいるし、代わりに採ってきて欲しい。』とか『珍しい病気を治す為に新鮮な飛竜の卵が必要なのだ。』とか、生活に直接関係したモノだった。
モンスターは人間にとって絶対的な捕食者であった。人間がモンスターの上に立つ事は無い。その自然の摂理に、村のため人の為に立ち向かったのがハンターという人間達である!
だからこそ、心身を削って戦うハンターは、誇り高い職業であったし、村人からも感謝され、尊敬されていた。ところが、時代と共にその世界観は崩壊しつつある。
今作に始まったことではないが、特に今作はクエストの依頼理由がふざけている。
ウチの子、昆虫採取にウンタラカンタラ…
ホロロホルルの羽ペンとか私にぴったり!
虫食ってみたいからゲネル倒してきてくれ!
赤甲獣と爆槌竜を打ち返すとこ見せて!
とか、軽く挙げただけだが、こんなしょーもない理由で命懸けの戦い強いるんじゃねぇぞ!
ハンターは便利屋か!
クエスト依頼理由が実にくだらない。
本来、危険なモンスターが出たから被害が出る前に倒してくれ。既に甚大な被害が出た、これ以上の被害を出さないためにも狩ってくれ。というのが正当な理由だ。
それに、クエストはハンターズギルドを通してハンターに紹介される。その審査に乱獲とも取れる理由の依頼が通るのだろうか。もちろん、ハンターズギルドのハンターが乱獲行為や、許可の無い狩猟をした場合は
ギルドナイト達によって暗殺される。
狩猟とは、好き勝手にやっていいモノではない。その地域の生態系にも影響するからだ。逆に特定のモンスターが増え過ぎたりして生態系が崩れ始めた時には、調整という形で大量狩猟が依頼されたりもする。
それがなんだ。
昆虫の標本? 私にぴったりの羽ペン?
虫を食べてみたい?
世界観崩れまくり。
筆者、このクエスト依頼理由を読むのがとても好きだったので正直、残念過ぎます。お祭り要素、無礼講要素のクエストはいいんですよ別に。闘技場とか。
それに、モンスターハンターってああ見えてけっこうコミカルな要素多いゲームだしね。
それでもさ、これはヒドイ。
モンスターハンターの世界観を楽しむユーザーとして、非常に遺憾です。
何とか、なんないのかねぇ…。
名曲、英雄の証が似合わなくなってきたかも…。
でもね、見てよこれ。
最高じゃない…。
この写真だけで、このモンスターハンターの世界観分かるじゃん。
好きだからこそ、こういうこと思うのかなぁ。